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日本業者に一杯食わされた

 母はラジオ番組をもち、そしてその放送はアメリカのあらゆる地域の女性たちに届きました。このラジオ放送で母はひとつのキャンペーンを試みました。それは、キャンペーンとしてはまことに大成功だったと言うべきです。けれども、世の中はままならぬもの、思わぬ不始末が発生してしまいました。

 当時、母は「リキッド・パールズ」(液体真珠)と名づけた愛らしいメイクアップ製品をもっていました。それは、ひとつでいろいろな使い方ができる便利なメイクアップ・パウダーでした。彼女がコマーシャルの中で、「このメイクアップをお買い上げの方に、60インチ(約1.5メートル)のじゅずつなぎの真珠をさしあげます」と発表したところ、注文が殺到しました。あまり注文が多かったので、彼女は急きょ日本から真珠がいっぱいつまった箱を取り寄せなければなりませんでした。ところが日本からの荷をあけてみると、魚のにおいがあんまり強いので、数日空気に晒さなければなりませんでした。これは、日本の業者がガラス玉に魚のウロコの粉をまぶした模造真珠だったのです。私が思うに、母はそのとき、模造真珠の最大の輸入業者になってしまったのではないでしょうか。

第4部 女優時代へ

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