エリオット女学校へ
母は、自分の化粧品の売上げをのばすためにカルフォルニア中をあちこち飛びまわらなければなりませんでしたが、手持ち商品がなくなって製造にかからなければならなくなったときと、週末だけは、かならず家に戻ってくることになっていましたから、決まって週末には母と祖母が面会に末てくれて楽しい時間を過すことができました。
それにしても、こうした生活は私のいとしい母にとってたいへんきついことだったに違いありません。けれども、彼女は性格的にたいそう強い人で、一度彼女がこうしようと思い定めた以上は、だれもその意志をくつがえすことはできませんでした。そして、母のこの性格は、ずいぶん幼いころから私の中にも注ぎこまれてきたように思います。というのも、私もまた“それはできっこない”という言葉をけっして信じようとはしなかったからです。重病にかかること以外は、問題を解決する道はかならずあるものです。