はじめに
100年以上の歴史をもつ「グウェンテーラー化粧品」は1893年にアメリカで発売されました。創設者でありグウェン・テーラーさんのお祖母さんがその基礎的な処方を「化粧品というものは、女性の個性を覆い隠すものではなく、はだを健康に保つことによってその女性本来の美しさを引き出すものでなければならない」という信念から開発しました。
この研究をグウェンさんのお母さんが引き継ぎ、今から100年以上も前、ついに製品化に成功しました。その化粧品は「プリンセス・ヘレイン」と呼ばれ、おもにハリウッドスターやヨーロッパ出身の貴族たちにたいへん評判になりました。この化粧品によってみごとな美肌をもつ女優となったグウェンさんは、お母さんに協力して売上げをどんどんのばし、新たな研究成果も加えて本格的に工場生産するようになりました。お母さんの死後、ブランドは「グウェンテーラー化粧品」となりましたが、中身はお祖母さんとお母さんが開発した処方に忠実にしたがった物でした。「グウェンテーラー化粧品」は、母娘三代、100年以上にわたった研究と努力の結果なのです。
1992年にグウェン・テーラー社長は、母娘三代にわたる化粧品の処方とノウ・ハウを廠密に守ることを条件に、グウェンテーラー化粧品の日本での生産をマコマ株式会社に許可しました。グウェンさんは、三代の伝統を引き継いでくれる四代目の娘さんがないため、マコマにその将来を託したことになります。
この「グウェン・テーラー物語」は1992年に「グウェンテーラー化粧品」発売100周年とその日本生産開始を記念して「グウェンテーラー化粧品」の簡略な歴史と自分の個人史をグウェン・テーラーさん本人が綴ったものです。
お楽しみいただければ幸いです。
グウェン・テーラー物語